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ジワジワと全身から汗が噴き出ているのがわかる。
着ているシャツが背中に張り付いているのではないか。
外は蝉が鳴いていて、夕方の西日がより一層暑さを感じさせる。
クーラーのかかった涼しい部屋で神田は一人その場の温度とは違うものを感じながら汗をかいていた。
とあるビルの一室の警備会社の応接室。神田誠一、二十六歳。神田は就職の面接に来ている。大学を卒業した後、一度は就職したもののわずか一年足らずで辞めてしまった。
「なるほどね・・・そこからはバイトを?」
眼鏡をかけた恰幅のよさそうな面接管はペンを滑らせながら神田を品定めするように見る。
神田は姿勢を正して出来るだけ愛想の良い顔を作る。
「はい。本屋でアルバイトをしていました。その時に・・・」
面接でのテンプレートを話すように神田は個性一つない受け答えをする。
ああ・・・本当に自分は駄目だ・・・。
面接管を引き寄せる回答をまた出来ていない。
他にも何社か中途採用に応募してみたものの上手くいっていない。
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