第1章

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完全週休二日制。社会保険完備。社宅有り。ボーナス有り。年二回昇給有り。初任給そこそこ。まさか受かるとは・・・。 神田はスーツを着て、大学時代から住んでいる小さなワンルームの自宅を出る。 大衆受けをする人気の漫画が本棚にはぎっしりと詰まっている。 映画化やドラマ化をした漫画が多いのだが、いずれも原作の漫画よりも面白かったことはない。 その横にはもう一つ大きな本棚と段ボールがあり、その中にもぎっしりと小説が詰まっている。 神田が好きな有名推理小説家の湊ゆきの書いたシリーズが多い。そのシリーズの中で好きなものは、法で裁けない者を裁く、裏の仕事をする現代の必殺仕事人のような人物が絡む推理物だ。 映画化もされている人気作だが、やはりこれも原作を超えることはない。そこに書かれている重要人物の中に警備会社勤務の登場人物ががいる。 つまりは、あれだ。本に影響されたのだ。 他にも出てくる登場人物の中の仕事も受けてみた。 が、どこも今回はご縁がなかったということで、という通知が来る一方だった。
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