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神田の部屋には他には何もないが、本と漫画だけはある。
そろそろ本の重みに耐えかねて、床がへこんで下に落ちるんじゃないかと思う。そうなる前に早く社宅に引っ越そう。
というか、実際に少しへこんでいるんじゃないか・・・。
そんなことを心配しながら古びたアパートの階段を降りる。カンカンカンと金属の階段特有の音がする。
神田は就職してすぐに買った文字盤の大きな腕時計で時間を確認して駅へと向かう。
その場での採用などはもちろん初めてで、正直本当に採用されたのか未だに疑っている。
いや、しかし、ちゃんと何枚もの書類には目を通して書いたし、不審な点はないはずだ。大丈夫。受かったことに変わりはない。後は流れに身を任せよう。だが、不安は消えない。
はたして今度の仕事は上手くいくのだろうか・・・。
不安不安不安不安・・・・・・・。
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