第13話

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約束した通り、私が早く帰っていたらこんなことにはならなかったかもしれない。 ウメさんを迎えに来させなければ、2人を助けられたかもしれない。 『旦那さん。末期だって言われてたから、それを悲観して』 『看護師とできてたって話よね』 『担当医と噂があったって聞いたけど』 2人に汚名を着せることもなかったかもしれない。 繋いだ手はいつの間にか離れてた。 『えま』 呼ばれたのに、振り向けなかった。 お父さんとお母さんに会える最後の日だったから。 黒い服を着せられた景くんは、泣きじゃくる景くんのお母さんに連れられて、どこかに消えた。
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