6人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝、主人と息子の弁当を作り、部屋に息子を叩き起こしに行った。
「ほら、早く起きなさい!」
息子は寝ぼけ眼でちょっと面食らっていた。
「母ちゃん、今日は張り切ってんな。どうしたの?」
「どうもしないわよ。ほらほら、早く朝ごはん、食べちゃいなさい。」
そう言うと、パンパンと手を二回鳴らした。
息子と主人は半分ニヤニヤと笑いながら戸惑っていた。
「いってらっしゃーい。」
玄関で主人と息子を見送ると、びっくりして振りかえり、息子は気恥ずかしそうに、「お、おう!」と言い手を上げた。
さあさあ、忙しくなるよ、私。
今までの私とは一味違うよ。
強い風が木の葉を舞い上げ、道路の脇に置いてあったゴミが舞い上がった。よく見るとそれは白いTシャツで、縦書きにカタカナで「トマソン」と書いてあった。
最初のコメントを投稿しよう!