第1章

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田舎町のバス停にある待合室。 そこで私は、本を読みながら、時間がくるのを待っていた。 田舎だから、終バスの時間も早くて19時初のが終バス。 だから、20時には、 誰もここに来なくなる。 そんな時間に、私はいつも、ある人と待ち合わせている。 バス停前の電灯が灯るのが私達の合図。 B「霞ちゃん会いたかった」 ふわりと笑みを浮かべながら私の前に立つ人こそ、私の待ち人であり、愛しい人。 私に抱きつく彼は、電灯の光を浴びて、透き通って見える。 私と彼の会う時間が限られる理由。 それは、彼が“幽霊”だから。 A「陸さん。 私もです。愛してます、陸さん」 私達は決して触れ合うことのないキスを交わす。 B「ねぇ、霞ちゃん。 こっちに来てよ」 いつも私はこの誘いを断ってきたけれど、今日は違う。 A「はい。私を連れて行ってください」 その日、私は彼と共に消えた。
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