第1章

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足立の顔は、血の気を失っていった。そしてガタガタと震えだした。そして静かに話しだした。 たけしはゴクリと喉を鳴らした。蓮水と青深は答えが分かっているかのように少し笑みを浮かべていた。 「……急ぎの配達があったんだ、時間通りに届けられるか心配だった。だから、近道をしてあの公園の前に来た時、助手席に置いていた地図が座席の下に落ちたんだ。それを取ろうとして・・・」 「わき見運転か・・・」 「社長に、言われていた事を忘れていたわけじゃない。ただ・・・」 「いい。後は、警察で聞くよ。行こう」 足立という男は、そのまま早瀬刑事に連れられて行った。 歩くのも精一杯というフラフラの状態で早瀬刑事に抱えられながら・・・ 「と言う事だったみたいですね」 「お前、気付かなかったのか?トラックが来た事」 「はい・・・」 たけしは青深のちょっと低い音の声に少しビビりながら答えた。蓮水はそれを楽しみながら助け船を出した。 「仕方ありませんよ。考えるに後ろから、前を見ずに運転している車が走ってくるんですから当然!ラクションなんてものはなりませんし、たけしも何か考え事をしていたんじゃないですか?」 「そうなのか?」 「……」 「とりあえず、来た場所に戻りましょう」 言葉を失ってしまったたけしはどう答えを返したらいいか考えていた。考えがまとまる頃に3人はたけしがいつも通っている道の上空まで帰ってきていた。 「さて、原因がわかりましたね」 「で?どう思う」 「そうですね・・・・他に何か原因はないでしょうか・・・」 「そうだな・・・」 「あ、あの・・・」 「安心なさい。あなたの肉体はまだ丸一日自宅にあるんですから、それまでに他の原因が解決できれば死んだことにはなりません」 「俺たちは2人の判断で魂を肉体に戻す事も出来る。真相が分かって俺たちが納得できるような場合はお前は生き返れるんだ」 蓮水と青深は天国と地獄の番人。裁きの采配は彼らの手によって決めることができる。ただ、誤った判断をすれば自分の命と引き換えなのだ。 「他に、原因ですか?」 「そうだ。まだ、お前の魂がここにあると言う事は原因が他にもあるんだ」 「事故の真相が分からずにいただけならもう天国か地獄にあなたの魂は移動してます。しかし今もなおここにあると言う事は他の原因があるんです」 静かに蓮水が付け足した。
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