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捜査開始
教室の戸を開けると、そこには、首を吊った遺体がある。
首を吊っているのは、この学校のこのクラスの生徒である。
首吊りに使用されているロープは約8メートル、教室のほぼ中央にある、窓枠と窓枠の柱に括りつけてある。
プロジェクターのスクリーン用のフックが天井にあるのだが、その輪の中にロープを通し、死刑などで使用される、「首吊り結び」を施し、首に輪をかけ、絶命したのである。
索状痕はひとつだけで、このロープのものしかついていない。
踏み台にした教卓は、入り口の戸とは逆側、窓際に向かって倒れている。
一番前の席の椅子を階段のようにして、教卓に登ったものと考えられる。
この教卓には、少女の上履きの跡はある、しかし、椅子に靴あとは残されていなかった。
ゆえに、殺人事件の可能性も出てきたのである。
殺人事件と仮定して、状況から察すると、顔見知り、しかも懇意にしていた者の犯行のように考えられる。
死亡推定時刻は定かではないが、昨日の午後10時ごろには見回りの警備員がこの部屋には何もなかったことを確認している。
遺体発見は、午前7時45分、登校してきた女子生徒が第一発見者である。
よって犯行は、未確認の時間帯の範囲内である。
被害者宅に電話をし、状況を説明して、外出の有無を確認したところ、外出はしていない、と思っていたらしい。
誰かに誘い出され、殺害されたように思われる。
この状況から、懇意にしていた者の犯行のように思われた。
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