第1章

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暖かい色が溢れ心地良かった秋の季節も過ぎ、本格的になって来た冬の頃 私と秋吉さんのお付き合いも一年が過ぎた ええ、まぁ 別段どうこう変わった訳でもないのですが。何となくこう、感慨深いというかもうそんなに経つんだなぁというか、毎日あっという間に過ぎて気付いたら一年超えていたというか 全然変わりませんよ。秋吉さんは 新発見する事こそあれど、基本的な事はなーんにも 「甘那さん、そこどいて下さい。ソファーに登って」 「あったまって来たとこなのに」 「毛布をそのまま膝に乗せて移動すれば良いでしょう?」 「膝の裏とか背中とかが寒いんですよ」 「エアコン付けてるのに寒いなら、動いてない証拠です」 「骨まで寒い…」 「良いから。掃除機掛けてるのになんで動く事すら協力しないんですか」 「あぁ…骨の中の髄まで寒い…」
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