「出会い」

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真っ直ぐなカウンターの左から、カウンターにいた男性、手当てしてくれた女性、翔くんと一緒にいた男の人、翔くん、私の順に座った 「とりあえず自己紹介させてね」 女性がニコッと微笑んだ 「自己紹介って合コンかよ……」 ボソッとカウンターにいた男性が呟いた 女性は、ニッコリ微笑みながら…… 「黙らないと、どうなるか分かるわね?」 と、脅した この中で一番怖いのはこの人かも…… 「えぇっと、まず私からね。私はここのカフェの店長である、椎名 彩姫。彩姫さんって呼んでね」 この人が店長だったんだ てっきりカウンターにいた男性が店長かと 「それで、こっちでタバコ吸ってるのがここで住み込みで働いてる遠山 浩輔くん」 彩姫さんがタバコ吸ってる男性を紹介した 住み込みなんだ…… 「口が悪いけど、お茶を淹れるのは上手いのよ」 「一言余計だ!」 彩姫さんの言葉に、男性は噛み付いた 「コウちゃんって呼んであげてね」 彩姫さんがクスクスと笑った 「ふざけんなっ!」 ギロッと彩姫さんを睨んだ もし、呼ぶなら浩輔さんにしよ…… 「それでこっちが……」 彩姫さんが、男の人の方を向いた 「僕は新井 友哉です。よろしくね」 ニッコリ微笑まれた 「友哉くんは私の中学からの友達なの」 彩姫さんが微笑みながら言った ということは、彩姫さんと友哉さんは同い年 「翔は僕の子供だよ」 友哉さんが翔くんを見ながら言った 「妻はカメラマンで、世界中を飛び回ってるからあまり家にいないんだ。僕もサラリーマンとして働いてるから休みの日は遊んであげられるけど、仕事の日はここで預かってもらってるんだ」 友哉さんが苦笑しながら言った 「そうなんですか………」
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