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「それで、あなたの名前は?」
彩姫さんがニコッとしながら私を見た
「一ノ瀬 心月です」
私は名前を言い小さくお辞儀した
「その制服…南雲高校の制服よね?頭良いのねー」
彩姫さんが驚いた様に言った
私が通ってる南雲高校は偏差値が高く、この辺の高校では有名
「いえ……私は指定校推薦なので」
私は首を振った
「で、彩姫は何でコイツを1人に出来ねぇと思ったんだ?」
浩輔さんが新しいタバコに火をつけた
「直感よ」
彩姫さんがキッパリと言った
その瞬間、シーンと静まった
ズズッと翔くんがジュースを飲む音だけが響いていた
「お前にまともな回答を求めた俺が馬鹿だった・・・」
浩輔さんがハァッとため息を吐いた
「彩姫さんらしい答えだね」
友哉さんがクスクスと笑った
直感って・・・本気?
そんな曖昧なもので引き止めたの?
私は信じられずつい彩姫さんをジッと見てしまった
【心月ちゃんきっと、あそこで帰してたら2度とここには来てくれないもの。心があんなに危うい子を放っておけないわ】
彩姫さんの、心からの心配する声が流れてきた
そんな風に思われてたんだ・・・
「でも、彩姫がそこまで言うのも珍しいよな」
浩輔さんが真顔に戻り言った
「そう・・なんですか?」
私は首をかしげた
いつも引き止めてそうなのに
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