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放課後になり、ピンチです
家に帰りたいのに帰れません
何故かって?それは………
「幽霊、なかなか来ないね」
「でも、私たちが教室にいた時はまだ残ってたよね?」
「勘づかれたとか?」
いや、勘づく以前の問題だから
下駄箱で、しかも普通の声で話をしてれば丸聞こえだよ
私は小さく溜息を吐き、屋上へ向かった
「あーー、気持ちいいっ」
屋上は誰もいなく、静かだった
んーー、と伸びをして寝転がった
「あの人達が帰るまで、ここに居よう」
面倒事は出来るだけ避けたいし
毎日これが続くのかなぁ……やれやれ
人の心を読まなくてもトラブルはあるのか
「…翔くんどうしてるかな」
無邪気な、人を疑う事を知らない少年
あんな真っ直ぐな子が増えたら、世界は平和かもしれない
「友哉さんはお兄さんって感じで、浩輔さんは見た目とのギャップがあるな」
クスクスと笑いがこみ上げてきた
目つきが悪くて、強面なのに優しいしお茶淹れるの上手だし
「彩姫さんは見た目はお淑やかな大人の女性で、優しくて綺麗で……強い人だな」
たった数日前に1度会っただけの人達
それなのに、忘れられない
忘れたくないと、初めて心がそう言っている気がする
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