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「ううん、みんな忙しそうだから黙って出てきちゃった」
翔くんがテヘッと笑った
……………はぃ!?
「翔くん!1人で、誰にも言わず出てきたの!?」
私は翔くんの肩を掴んで聞いた
翔くんはコクリと頷いた
「ダメでしょ!そんな事したら!友哉さんも、彩姫さんも、浩輔さんも皆きっと心配してるよ!早く帰らないと」
私は慌てて立ち上がった
まさかこんな無茶をする子だったとは………
いや、飛び出した時点で無茶をする子か……
「だって!…だって、お姉ちゃん遊びに来てくれないから」
翔くんが俯いて言った
「…………とにかく帰ろう」
私は翔くんの頭を撫でて、手を繋いだ
【お姉ちゃん、僕のこと嫌いになったのかな】
翔くんの気持ちが痛いほど伝わってきた
こんな小さな子を悲しませて、無茶な行動に出させるなんて………
「ダメだなぁ、私」
翔くんに聞こえないくらいの、小さな声で呟いた
カフェに着くと、翔くんは私の後ろに隠れた
「コウちゃんも、友兄も絶対怒ってるよ」
翔くんが小さくなりながら言った
「翔くんが心配かけたからだよ?だからちゃんとゴメンなさい、しないとね」
私はしゃがみ、頭を撫でた
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