「信じる」

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カランっ カフェの扉を開けると、綺麗な音がした 「いらっしゃ……お前」 浩輔さんがこっちを見て、驚いた様に目を見開いた 「心月ちゃん!」 彩姫さんが嬉しそうに私を見た 「………この子を連れてきただけです」 私は翔くんを前に出した 「「翔!」」 浩輔さんはまた驚いた様に、友哉さんは椅子から立ち上がった 「翔くん!どこ行ってたの!?」 彩姫さんが翔くんに駆け寄った 「………お姉ちゃんに、会いたくて」 翔くんが俯きながらモゴモゴと言った 「だからって黙って出ていっちゃダメじゃない。みんな心配したのよ?」 彩姫さんが、コツンと翔くんを小突いた 安心した様な顔をしている 「また、翔を助けてくれてありがとう」 友哉さんが私に頭を下げた 「や、止めて下さい!頭上げてください」 私は慌てて、友哉さんの肩を掴んだ カフェのお客さんも、驚いていた 「翔くん無事で良かったです。………失礼します」 ペコリと頭を下げて、クルリと向きを変えた そのまま扉を開けると 「帰っちゃヤダっ!」 後ろから翔くんが抱きついた 【また会えなくなるなんてヤダっ!お姉ちゃんどこにも行かないでよ】 翔くんの悲しい気持ちがまた伝わってきた 「………ごめんね?お姉ちゃん、もう遊べないの」 私はしゃがみ、頭を撫でた 淡い期待なんて持たせてはいけない 「何で!?ヤダっ!」 翔くんが涙を浮かべながら首を激しく振った 「ごめんね…………」 謝ることしか出来ない 理由を話すなんてこと私には出来ない
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