「歩み寄る」

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「心月ちゃん大丈夫?」 彩姫さんが私の背中を撫でた 温かい手に少しホッとした 「ゆっくり、話せる範囲で良いから落ち着け。カフェラテも飲め」 浩輔さんがフッと笑いながら言った 見た目怖いのに、気遣いは細やかだし優しい人だな 「どんな話でも、僕らは君を嫌わないよ」 友哉さんがニコリと笑った 3人の言葉に涙が出そうだった 「……その日から両親の仲は悪くなっていき、ほとんど話さなくなりました。お互い存在しない………みたいな」 家庭内別居よりも酷いものだと思う 存在を消してしまうんだから 「そんな日が続くに連れて、私の存在が両親にとって重荷になっていました。何年もケンカが続いて、私が中学生になった時には………もう引き返せませんでした」 体は成長しても心は成長しなかった むしろ、感情が抜け落ちた気がする 「母は私を冷たい目で見て、口癖のようにあんたのせいで私の人生メチャクチャよ!って…………あんなに優しかった父も人が変わったかのように、お前のせいで全てが壊れたんだ!って」 今でも鮮明に思い出せる 思い出すだけで………笑っちゃう 「人間ってやっぱりすぐに変わる生き物ですよね。笑っちゃう」 自嘲に似た笑いがこみ上げてきて、フッと笑ってしまった
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