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「足が付かなくなって、水中で息が苦しくなって………心の底から安心したんです」
「「「………………えっ?」」」
私の言葉に3人同時に、しかも同じ反応をした
「もう両親の喧嘩を見なくて済む。2人が辛い思いしなくて済むと、思いました」
子供ながらに、本気で安心した
これで全てが解決する、と………
「そんな………」
彩姫さんが真っ青な顔で口に手を当てた
「そのまま意識を失って…………気付いたら真っ白な天井が見えるベッドの上でした」
淡々と話を続けた
「私が沈んでいくのを見ていた人がいたみたいで……その人に助けられたんです。そして私はその人の家に引き取られました」
1人暮らしだから気にしなくて良い、と笑って私を引き取ってくれた
「………今もその人と住んでるの?」
友哉さんが首を傾げながら聞いた
「いえ……私がいるせいで周りから変な目で見られてる事や、陰口を言われる事を知ったので置き手紙を置いて出てきました」
首を振りながらカフェラテを飲んだ
3人が唖然とし、静まった
「置き手紙を置いてって………それから連絡一切取ってねぇのか!?」
浩輔さんが驚いた様に言った
「その頃は携帯持ってなかったですし、住んでた所はこの町じゃないので」
コクリと頷き、私はあっさり言った
名前しか教えてないから探すのは難しいだろうし
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