「出会い」

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私……忘れられてる? まぁ、良いんだけどね 立ち上がり、制服の汚れを落とした 「あーーーーー!」 いきなり男の人が叫んだ 私と男の子は同時にビクッとした い、いきなり何事!? 「友兄どうしたの?ビックリした……」 男の子が恐る恐る聞いた 「ち、血!腕から血が出てる!」 男の人が真っ青な顔で私を指差した 腕を見ると、確かに血が出ていた 「地面と制服で擦ったからかな……そんな大した怪我じゃなさそう」 制服の袖を捲って、フムと確認 「お姉ちゃん大丈夫?」 「す、すみません!すみません!助けて頂いたのに怪我させてしまうなんて」 呑気な男の子と、慌てふためく男の人 感じ取らなくても感情丸分かりだな 「お気になさらず。大した怪我ではないので」 失礼します。と会釈して歩き出した しかし、すぐに腕を掴まれ 「怪我させてそのまま帰すなんて出来ません!」 絶対譲らない様な目で私を見ていた 「大丈夫ですから。放っておいてください」 「そうはいきません!」 「家で手当て出来ますから」 私と男の人との押し問答はどちらも引かなかった 「このすぐ近くに僕の知り合いの店があるんです。そこで手当てしましょう」 「だから手当ては自分の家でっ………」 私の意見を聞かず、腕を引いて歩き出した 「友兄、今からコウちゃんの所行くの?」 男の子が嬉しそうに聞いていた
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