「出会い」

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「彩姫(アヤメ)さんこんにちは」 男の人がニコリと笑いながら会釈した 「奥にいたら声がしたから出てきちゃった」 女性はテヘッ、と肩をすくめた 「彩姫さん、この子の手当てお願いします」 男の人が、私の腕を指差した 女性は怪我を見ると慌てて……… 「大変!膿んじゃう前に手当てしないと!」 また奥へと消えて行った 「うっわー、痛そう」 カウンターの男性が、顔をしかめた 帰りたい……… 【痛そうー!あの子】 【でも、翔くんが無事で良かったわ】 何人かの感情が流れてきた ここの常連さんかな? 「カウンターに座ってろよ。今、誰も居ねぇし」 カウンターの男性が立ってる私達に声をかけ、グラスを用意した 「翔と友哉も座ってろよ。……何か飲む?」 「オレンジジュース!」 「カフェオレで」 男の子が嬉しそうに、男の人は笑いながら答えた 「君は?何飲む?」 ニコリと微笑みながら、男の人がメニューを差し出した 「翔を助けてくれたお礼に奢るから」 好きなもの飲んで、と私に微笑んだ 「……………カフェラテお願いします」 そう言い、私はメニューを戻す 「救急箱あったわ」 女性が救急箱を持って、またパタパタと戻ってきた 「じゃあ腕出して?少し染みるだろうけど、ごめんなさいね」 女性は消毒液をガーゼにつけながら言った 私は言われた通り、袖を少し捲り怪我の所を出す
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