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昔、おれたちは空を飛べた。誰にも使役されなかった。自分のために生き、目的を持つことが許されていた。みんなはそれを自由と呼び、命が持つ権利だといった。
やがてそいつを賭けた戦いに誰もが身を投じた。多くの不自由の上に成り立つひとつの自由──敗れた者の命は塵芥(ごみ)に同じだった。空を追われたおれたちは大地に翅を落とし、闇にその身を紛らせた。
現実はくそだ。
おれたちは肥溜めの底にいる。
なにもわかる必要はない。
厭ならとっととくたばっちまえ。
うんざりだった──誰のせいだ?
あいつのせいだ──お前のせいでおれのせいだ。
どうした? くだらないか? つまらないか? 泥にまみれるのはそんなに厭か?──なにをしたくてなにをしたくない?
おれたちは誰かの食い扶持だ。闇の世界を支える──部品だ。
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