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豊かな暮らしを貪り食ってきたおれたち。貧しい連中のことなど知ったことじゃない。自分のことにしか興味がない極東の猿どもは神に大地を揺るがされ、その咎めを受けた。
神の制裁はそれだけじゃなかった。でたらめな国の、もっともでたらめな部分に鉄槌を下した。おれたちはそこではじめて自らの間抜けさと節操のなさを知ることになる。
この国はおよそ半世紀に亘り、恐ろしく物騒な力によって営まれ、栄えることをしてきた。海の向こうで起こった稀にみる大惨事も、ちっぽけな島国に暮らす猿どもには関係のない話だった。
──愛すべき極東の猿どもに告ぐ。よく聞け。
いいか、おまえら。おれたちの故郷はもうとっくに糞塗れだ。森も海も空も、おまえが立っているその場所も、今じゃ死神の縄張りと化している。それでも生きていたけりゃ、勝手にすればいい。
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