握手

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1年の授業では、決まった道具に偏らず全般の訓練を行う。 銃、弓、槍、剣、道具を使わない素手での格闘 その中から最適な自分の武器を見出すのが狙い。 どうやら我がマスター、ルナは銃が得意らしい。 いや、わりと非力な女性は銃などが多いのだ。が、ルナはその中でも群を抜いて正確さとスピードが優れていた。 「でも、武術は苦手と。」 すいすい、と攻撃を避けながら呟けば、さきほどまで銃弾をぶちまかして満足げな顔は消え、不機嫌に眉間に皺を寄せた。 最初はマスターとホストで組んでの練習。 特に手は抜いてないが、あまり体力がないルナは既に汗が一筋流れた。 「メグミ、私の相手をしなさい。」 高飛車な物言いと共に目の前に立ったのは、ナーシャだった。 「メグミ、私は休む。相手してやってくれ。」 「えーー。」 「なによ、嫌なの?」 面倒くさい。 素直にそう言いたかったが、それを言えばさらに面倒くさくなるのは確かで。 はいはいと受ければ、それはそれは全力で回し蹴りかましてきた。 護身用として武道を心得てきたナーシャの威力は凄まじい。 とりあえず全て受けてた。 「手加減してるつもりなの?!」 すぐカッとなるのがナーシャの悪い癖だ。 渾身のボディブローをお腹に受けた。 痛い。これは痛い。骨が軋んだ。 「なんで避けないのよ!!」 「うるさいな。放っておいた代償だよ。」  「え?」 途端にナーシャの身体から力が抜けた。
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