Ep:4−可能性

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咲「っ――生きてたんですね…」 アーク「……」 咲の言葉にはなにも返さず、チラッ と辺りを見渡すアーク 咲「!……残念ですけど、ここに白叶さんはいませんよ」 そんなアークの挙動の理由を推測し、咲はそう話す アーク(…あちらか) 咲の言葉を信じたのか、アークは咲へと視線を向ける。 アーク「お前たちだけでは話にならんな」 将「んぁ!?」 咲「話にならないかどうか…試してみますか?」 真正面からアークを睨みつけ、咲は真剣を握る手に力を込める。 アーク「…無駄だ、お前では俺には勝てないし…。 そもそも、こいつらがいる」 言って、左右のバラシィとバンパイアを見やるアーク バンパイア「…ふん、相変わらず気に食わん物言いダ」 バラシィ「けどマァ、あの女を殺すのは譲れないネェ」 アーク「勝てばその武器はやろう、お前も…逆らえないのは分かっているだろ…?」 先にバラシィにそう告げたアークは、今度は乗り気でないバンパイアのほうに言い、異空間から取り出した、バングル型の小さな端末をチラつかせる。 バンパイア「…チッ」 その端末を見たバンパイアは、舌打ちし、組んでいた腕を解く 咲(あの端末は…?) やり取りから察するに、バンパイアにとって都合の悪いものだと勘ぐった咲は、背後のメユにだけ見えるよう、背中側で左手を使い、メユに端末を狙い撃ちするように指示を出す。 メユ「……!」 メユはその合図に気が付き、アークの手元に注目するが アーク「無駄な事だ」 お見通しと言わんばかりに、アークは呟き しかしあえて端末は異空間に戻さず、そのまま右腕に取り付けた。 メユ「っ〜…!」 明らかにナメた態度に流石のメユも憤慨するが、咲は彼女を静かに手で制し、隣の将を一瞥 咲「そこまで言うなら、まずはあなたたちから片付けましょう」 咲のその発言に呼応するかのように、将もまたティルヴィングを構え バラシィ「ガキが…片付けられんのは…お前ラだ!!」 バラシィは我慢の限界!と言わんばかりに、咲へと向け飛び出した。 咲「ふっ!」 ガキィンッ!! 咲もまた、それに相対して真剣で応じ 咲「あなたはもう二度負けてるんですよ?」 バラシィ「どこまでも憎たらしいガキだァ! だったらもう一度、負かせてミロォォッ!!」 ギャオンッ!! 咲「うっ!?」 怒りに任せ、バラシィは大斧で咲の真剣を押し返し バラシィ「縛り付けロッ!!」 左手を咲へと向け、そこから魔法陣を展開、魔法陣から水の触手を伸ばして咲へと差し向けた。 メユ「一斉風射ッ!!」 ドドドヒュンッ!!―――パンッ!パパパパパァンッ!! しかし、その水の触手はメユが放った多数の風の矢により弾き飛ばされ ヒュオッ オオオオオォッッ!!! 更にそれでも有り余る矢はそのままバラシィへと向かって行く バラシィ「!!」 ギャギャギャギャギャンッッ!!! バラシィはそれを大斧を回転させて弾き飛ばし バラシィ「いちいち人を苛立たセルノガ上手いやつらダ…ナァッ!!」 間髪入れず、再び咲へと向かって飛び出す。 メユ「苛立たせるのが仕事なんでッ!」 言い返しながら、メユは次々に矢を放ち 咲(そうでしたっけ…?) 咲はメユの発言に疑問を感じながらもメユの矢に紛れ、バラシィへと踏み出し 咲「ダークネス・セイバーー!!」 バラシィ「!?」 矢の処理に追われるバラシィを、真剣をベースに闇で巨大に形成し直した巨剣で斬り裂いた。
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