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咲「常識的じゃないですね…」
ただの気合で魔法を弾かれた事に驚きつつも、それを成したのが誰でもないリーナであったことから咲はそれ以上は口にせず
咲(やるしかないって…簡単にいってくれますけど…)
禍々しい闇に侵食され、魔人のような出で立ちのリーナは今にも咲に飛びかかりそうで
咲は真剣を構えつつ、考えを巡らせる。
咲(あの時、ルンさんは魔法と薬、2つの力で意識を乗っ取られていた。
前者は私と彼との力で無効化し、薬による“闇化”は彼が…。
一瞬の事だったけど、光の魔力で浄化していたように見えたけど…)
ちらりと、リーナの槍から彼女の紅く染まった瞳へ視線を移す
と、その瞬間
ヒュッ!
咲「!?」
ギャリンッ!!
リーナは一気に踏み込み、咲の間合いへと簡単に入り込むと、小さく槍を回転させ咲に振り下ろし、ギリギリでそれを気取った咲は真剣で受け止めた。
咲「っ――!」
操られているというのに、相手の隙を確実に突くリーナの行動に咲は冷や汗を滲ませながらも、教導官である彼女の行動らしさに小さく笑みを浮かべていた。
咲(思えば、一対一で戦うのは入隊日依頼ですね…)
まだ尖っていた自分の、行き先の無い苛立ちを受け止めるかのように、何度も刃を合わせた当時を振り返る。
咲「あの時はお世話になりました…」
今は、そんな風に思えるようになった咲。
咲「だから今度は…私が、あなたの闇を受け止めてみせます…!」
伝わってはいないだろうが、咲はそう口にし
咲(私は闇の真剣士、闇を浄化することはできなくても、上塗りすることができれば…あるいは)
一つ、自分の中での可能性を信じてみる事にした。
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