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将「っせい!!」
ドゴォンッッ!!
一方、咲にリーナを任せたこちらでは、将と、小森の体を乗っ取るバンパイアが対峙していた。
ズザザザザァァッ!
バンパイア「…ふん、力だケはホンモノのようだナ」
斬り結んた状態から将に押し返され、バンパイアは軽く痺れた腕を横目に将に吐き捨て
バンパイア「まあ、俺様が本来のノ肉体であれバ、その程度の力なド…」
将「負け惜しみはいいからこいよ、どうせお前にも出てってもらわねぇといけねぇんだ、その槍を破壊してな」
バンパイア「…貴様、誇り高キ我ヲ侮辱するカ」
将「侮辱もなにも、そんな魔具に入れられた時点で誇りもクソもないだろ」
正論と言えば正論なのだが、ナチュラルに相手を逆なでする将のその一言に、バンパイアは相当怒りを覚えたようで
バンパイア「…イイだろウ…貴様ハ、血祭りに上げてやル!!」
バヒュッ!!
将「!?」
アーク程ではないが、バラシィを超えるスピードで将に近づいたバンパイアは
ズンッッ!!!
槍ではなく、その拳を将の腹部にめり込ませていた。
ブアッ!―――ドシャァァッ!!
大柄な体躯をものともせず、バンパイアは細見な小森の腕で軽々と将を殴り飛ばし
将は背中で地面を滑る。
バンパイア「シネ」
仰向けに地面に倒れる将へと瞬足で近づいたバンパイアは、大きく右足を振り上げその踵を将の顔面めがけて振り下ろした。
ドゴォッッ!!
将「っが!?」
辛うじて、将は大剣の腹で踵の直撃を防いだものの、その力に押され、背中で舗装された地面を砕く結果となった。
バンパイア「ふっ!」
ドンッ!!! ドゴォッッ!!!
しかしバンパイアの攻撃の手は止まらず、振り下ろした足を振り上げ、2度、3度と将を踏みつける。
将「ぉぉぉッ!?」
あまりにも暴力的なその攻撃に、将は受け身に成らざるを得ず
バンパイア「ソノまま挽肉とナレ!」
ズウゥゥゥンンッッ!!!
バンパイアによる何度目かの踏みつけ
既に将の体は、半身以上が砕けた地面に埋まっていた。
将(このままじゃジリ貧だ…こうなったら…)
頭で考えつつ、今もなお続く踏みつけに歯を食いしばり耐える将
将(おい…聞こえてんだろ!
解放してやるから、いつもみたいに力を貸してくれ!)
誰にでもなく、将は心で思い
『……ふふっ』
瞬間、将の頭の中に、冷ややかに微笑むそんな声が微かに聞こえ
将「このまま終わるくらいならッ!!」
バンパイア「!」
一際大きく声を上げた将、するとその声に呼応するかのように、将の周囲に紅い魔力が渦巻き
将「オオォぉぉぉぉッ!!」
ッゴオォォォォォッッ!!!
魔力は火炎となり、火炎は将ごとバンパイアを包み込むと、回転しながら宙へと立ち昇った。
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