Ep:4−可能性

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将「っせい!!」 ドゴォンッッ!! 一方、咲にリーナを任せたこちらでは、将と、小森の体を乗っ取るバンパイアが対峙していた。 ズザザザザァァッ! バンパイア「…ふん、力だケはホンモノのようだナ」 斬り結んた状態から将に押し返され、バンパイアは軽く痺れた腕を横目に将に吐き捨て バンパイア「まあ、俺様が本来のノ肉体であれバ、その程度の力なド…」 将「負け惜しみはいいからこいよ、どうせお前にも出てってもらわねぇといけねぇんだ、その槍を破壊してな」 バンパイア「…貴様、誇り高キ我ヲ侮辱するカ」 将「侮辱もなにも、そんな魔具に入れられた時点で誇りもクソもないだろ」 正論と言えば正論なのだが、ナチュラルに相手を逆なでする将のその一言に、バンパイアは相当怒りを覚えたようで バンパイア「…イイだろウ…貴様ハ、血祭りに上げてやル!!」 バヒュッ!! 将「!?」 アーク程ではないが、バラシィを超えるスピードで将に近づいたバンパイアは ズンッッ!!! 槍ではなく、その拳を将の腹部にめり込ませていた。 ブアッ!―――ドシャァァッ!! 大柄な体躯をものともせず、バンパイアは細見な小森の腕で軽々と将を殴り飛ばし 将は背中で地面を滑る。 バンパイア「シネ」 仰向けに地面に倒れる将へと瞬足で近づいたバンパイアは、大きく右足を振り上げその踵を将の顔面めがけて振り下ろした。 ドゴォッッ!! 将「っが!?」 辛うじて、将は大剣の腹で踵の直撃を防いだものの、その力に押され、背中で舗装された地面を砕く結果となった。 バンパイア「ふっ!」 ドンッ!!! ドゴォッッ!!! しかしバンパイアの攻撃の手は止まらず、振り下ろした足を振り上げ、2度、3度と将を踏みつける。 将「ぉぉぉッ!?」 あまりにも暴力的なその攻撃に、将は受け身に成らざるを得ず バンパイア「ソノまま挽肉とナレ!」 ズウゥゥゥンンッッ!!! バンパイアによる何度目かの踏みつけ 既に将の体は、半身以上が砕けた地面に埋まっていた。 将(このままじゃジリ貧だ…こうなったら…) 頭で考えつつ、今もなお続く踏みつけに歯を食いしばり耐える将 将(おい…聞こえてんだろ! 解放してやるから、いつもみたいに力を貸してくれ!) 誰にでもなく、将は心で思い 『……ふふっ』 瞬間、将の頭の中に、冷ややかに微笑むそんな声が微かに聞こえ 将「このまま終わるくらいならッ!!」 バンパイア「!」 一際大きく声を上げた将、するとその声に呼応するかのように、将の周囲に紅い魔力が渦巻き 将「オオォぉぉぉぉッ!!」 ッゴオォォォォォッッ!!! 魔力は火炎となり、火炎は将ごとバンパイアを包み込むと、回転しながら宙へと立ち昇った。
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