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バラシィ「…まったく、勝手にハジめちまいやがっテ…」
どこか冷めた目でそう呟くバラシィは、バンパイアに踏みつけられる将と、アークと斬り結ぶルンを流し見ると
バラシィ「あたしに勝てルとホンキで思った訳でもないダロウに」
自身の正面で、水に濡れて倒れるメユを見下した。
メユ「はぁっ…はぁっ…」
バラシィの魔法で作られた水のムチにいたぶられ、最後に大量の水を、まるで滝のように頭上から落とされたメユは、その勢いに抵抗できず、地面に倒されて荒い呼吸を繰り返しており
メユ「っ…う…!」
しかしそれでもまだ心は折れていないようで、地面を押し返すようにして上体を持ち上げる仕草を見せる
バラシィ「……分かってるはずダロ?」
パァァァンッッ!!
呟き、生成した水のムチで、立ち上がろうとするメユの頬を叩くバラシィ
メユ「っ―――!」
ドサッ!
鋭い痛みで声すら出ず、メユは再び地に伏せる。
バラシィ「あんたはハズレなんだよ、あたしに当たって。
まぁ、あたしかラしてもハズレだけどね、あんたみたいナ雑魚の相手ハ…」
メユ「〜〜…!」
まるで手も足も出ない悔しさから、メユは奥歯を噛み締め
メユ(黒姫さんに教導官を任せたのに…私は…!)
ギュッ と、拳を握りしめた。
そして
メユ「ウィンサブ・シルフィード!!」
ノーモーションでそう声を上げれば、バラシィの足元には緑の魔法陣が展開され
ゴオッッ!!
魔法陣からは、上空へ向け突風が吹き荒れた。
バラシィ「なに!?」
魔法を仕掛ける所作すらなかったメユの突然の反撃に、バラシィは慌て、突風によって体勢を維持できずにふらつくと
メユ「一気閃華ッ!!」
その隙をつき、メユは弓の弦をいっぱいまで引き、そこに生成した巨大で鋭い風の矢を
ドンッ!!
バラシィへ向け放った。
ドズッッ!!!
バラシィ「!!」
体勢を崩していたバラシィは風の矢を防ぐ事すら出来ず、その腹部にはまともに、鋭い風の矢が突き刺さり、その勢いに押され、足元の魔法陣から押し出されたバラシィはそのまま背後へ数メートル吹き飛ばされて行った。
メユ「はぁ…はぁ…まだ…!」
これで終わりとは思っておらず、息も絶え絶えにメユは再び弓を構え直した。
そんな時
ッゴオォォォォォッッ!!!
メユ「…え?」
目の端に巨大な火柱が映り、それが誰が発したものかすぐに理解したメユは、構えを解いてそちらへ視線を向けた。
メユ「にぃさん…!?」
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