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将「ゥオォォォォッッ!!」
ゴオォォォォォゥゥッッ!!!
バンパイア「グオォォォ…!?」
将が魔剣から発した火炎はまるで勢いを落とす様子もなく、バンパイアを呑み込み空高く立ち昇っていた。
しかし
将「ぬぅぁぁ、、」
炎を発する将自身もまた、炎の中のバンパイアと同じく悲痛に顔を歪ませており
メユ「にぃさん駄目!!」
そんな将の様子を見たメユは、炎の渦の中心にいる将へ可能な限り近づき、そこから大きく声をかける。
将「っううぅぅ……!!」
メユの声には気づいたものの、炎はやはり止まらず、将は小刻みに震える手で魔剣の炎が暴発しないよう維持するのが精一杯だった。
将「は、離れろ…メユ…!!」
メユ「にぃさんが炎を収めて下さい!」
将「っうぅぅ…!
やってる…が! 無理だ! 離れろ…!!」
メユ「そのままじゃまたにぃさん自身が…!」
炎の渦ず越しにそこまで話してたメユは、将の手の甲から腕にかけて、うっすらと浮かび上がってきている黒い爪のような模様を視界に捉え
メユ(…また、あのアザ…)
嫌な予感が脳裏を過り、メユは助けを求めようと、アークと戦うルンへと振り返る。
メユ「ルンさんっ!」
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