第1章

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たいそう驚き、騒ぐ紅林だったが、一刻の時で落ち着きを取り戻し、シャキリと背を伸ばした。 すると森羅万象の王がふわりと動きだしたので、アッピーと紅林もそれに続き、目的の星に向かっ……「ちょ!ちょっと待ってよ!」 ……熱弁する俺の目の前に、紅林の紅葉した紅林の顔がグイと近づく。 「……何だよ紅林。邪魔しないでくれよ」 折角良い感じで話が進みだしたってのに、紅林が話の腰を折ってしまった。 「家来って何だよ家来って!何で俺がアッピーの家来に成らなきゃいけないのさ?そんなの嫌だよ!」 あはは、悪い悪い、話の流れ上そうなった。と、俺が頭を掻くと、全くさぁ!と紅林がむくれているので、「でも、面白くないかい?森羅万象の王様と宇宙を旅するんだ」と、紅林に聞いてみた。 すると紅林は「まあね」と言い、この後はどうなるのかと聞いてきたから、俺は「そうだねぇ、森羅万象の王でさえ手に余る悪党が星に居て、俺達はそいつとバトルを繰り広げるってぇ、少年漫画宜しくの展開や、そんな事は無くて単純に楽しんでいたらそこに居た異星人の女性と恋に落ちる恋愛カテにするか。まあ、王道はこのどちらかだよねぇ。」と答えたのだが、 ああ、それならば。逆に俺達が超イケメン宇宙人で、森羅万象の王と降り立った星が地球ってのも有りか。ふむ。 イケメン宇宙人との禁断の恋物語。 タイトルは……『スペースインモラル』 ……ダサいか? 凄い凄いとはしゃぐ紅林は、どうやら設定変更し、はんぺんもハンバーグも止めて少年漫画宜しく的なバトル小説を書くらしい。 まぁ、頑張ってくれよな。
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