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放たれている殺気を頼りに路地を進んでいくと
そこには一つの死体と一人の殺人者がいた。
殺人者のボサボサしている黒い髪に中々体格が良い男はこちらに気づき振り向く。
その右手には何も持っていない
「凶器がない……?」
なら、素手か?
しかし死体を見るとドテッ腹に穴が開いている。
これを素手でやったんならどれだけの怪力だよ。
……人間業じゃない……
「……お前、俺と同類の人間か……?」
男が体をこちらに向け問うてくる。
「……さぁね、同類というのは……?」
「俺は人を殺す側のが楽しくて辞められないんだ、お前もだろ?お前からも同じ匂いがする」
「はっそうかもな、俺も人を殺すのは嫌いじゃあない」
「だろ、だからこそ同類同士が会ったからには」
男はニヤリと笑いこう続ける。
「殺り合うしかねぇよな!」
瞬間ソラは大地を蹴り上げ特攻する。
先手必勝!
そしてそのまま男をすり抜け壁に激突する。
「なっ!?」
「……?」
男は何やってんだこいつというような顔をしている。
「いててっなんだよこれ、体が軽すぎる」
先程は特に感じなかったが予想以上にスピードが出て精神がついていけずそのまま激突したのだ。
「くそっやり辛い」
「アホかお前……」
「うるさい!」
「なら、次は俺から行くぞ」
男は手を空に向けて伸ばす。
すると、氷の弾丸が生成され飛んでくる!
「な、んだよそれーー!!」
横に緊急回避で避ける。
危機一髪だった。
一秒でも判断が遅れていたら先程の死体と同じ道を辿っていただろう。
いや、普段の体だったら躱しきれなかったか……
これが特典かよ、あのガキィ!!
「ふははっ、よく避けたな」
「……ひとつ聞かせろ、それは魔法ってやつか?」
「あ、何を当たり前なことを聞いてんだお前……?」
「いや、何でもない、そうか、魔法か……」
「ほら、次々行くぞ!!」
「つっ!?」
氷の弾幕を避けるように狭い路地裏を活かし壁を蹴り歩き上昇する。
体が軽い、羽のようだ、この体にも少しずつ慣れてきた
「はぁぁっ!」
壁を思いっきり蹴り氷の弾丸を避けながら急下降しナイフを裾から取り出し肉薄する。
「死ね!」
横一閃
着地瞬間に首を掻っ切ろうとするが氷の盾に防がれる。
「ちっ、めんどくせぇ」
「ふぅ、危ねえな」
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