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もうそんなことにも驚く気にはなれずうんざりとした口調で
「……森から出れねぇんだけど、自称神様……」
「あぁ、名乗ってなかったね、僕の名前はソーマさっきも言ったけど本物のこの世界の神様だから、よろしくね」
君の名前は?
とソーマは群青色の瞳で見つめながら訪ねてくる。
「神様は全知全能なんだろ、なら俺の名前くらい当ててみろよ」
「性格悪いね、名前なんて無いくせに」
「はっやっぱり知ってんじゃねーか」
「そうだよ、僕はなんでも知っている、でも萎えないのは不憫だよね、なら、僕が名前つけてあげようか?」
「……好きにしろ……」
「んーならね…………」
と頭上を見上げる。
少し考えてからいい名前を思いついたのかニヘヘーと笑顔になる。
「なんだよその笑みは気持ち悪い」
「君の名前はソラ、今日からソラだ」
「この青空を見て考えたんだろ、なんの捻りもないな」
「捻りはないけどいい名前だとは思わない?この青空のように大きく広く自由に生きるって意味でソラ」
「……まぁ悪くはないな……」
「よし、なら名前も決まったってことで早速この世界のことを簡単に教えるね」
ソーマは宙に浮くのを辞め地面に足をつける。
やはり重力には従うのが一番だろう。
「この世界は君から見たら異世界、地球とは別の星って訳」
「元の世界に戻る方法は?」
「戻りたいの?」
「……戻りたくはないな……」
「でしょ、で話戻すと君はここの森から出れないというけど、同じとこぐるぐる回っているから当たり前でしょ、この先をひたすらまっすぐ行けば出れるよ」
「マジ?」
「あとはこの世界のことは自分で確かめてね☆」
「適当な神様だな」
「まぁね、僕は基本傍観主義だから困ったからって助けてもらえるとは思わないでね」
「思ってねーよ」
「でも、特典は付けておいて上げたから、じゃ、この世界思う存分楽しんでね」
と言うと同時にソーマはスゥーと成仏したかのように薄くなり始めて笑顔のまま消えた。
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