65人が本棚に入れています
本棚に追加
/267ページ
「姉ちゃん、姉ちゃん!!これからどうするの?」
「んーどうしようかなー」
「お姉さん、僕達で探せる範囲は探したので、聞き込みとかどうですか?」
「それいいかもねー」
「じゃあ、向こうの人達に聞いてみようぜ!!」
元気いっぱいの薫は柚依の手を力強く引っ張る。その先には、散策コースのすぐ横にあるアスレチックで遊ぶ他の子供達と、保護者の大人の姿があった。確かにあそこならば誰かが見ているかもしれない。柚依は薫と竜に引っ張られながら進む。柚依達が話を聞くと、さっきから探している様子を見ていたらしく、快く話をしてくれた。
「黄色のパーカーの男の子?見たような…見てないような…」
「ワタシ見た!」
「オレも!」
「あっちの林のほうに歩いていったよ!」
大人よりも子供の方がよく見ていたらしい。黄色のパーカーの男の子の行方は散策コースの上へ行く道に進んだようだ。
「ありがとう!!」
「ありがとー」
お礼を言って別れると、そのまま散策コースに向かう。依澄と話していた道とは少しズレてしまうが、早く高嶺を見つけることの方が大事だ。柚依はスマホで依澄に上に向かう事を伝える。すぐに「了解☆すぐ向かうね」と返信がきた。
「黒田さんもこっちに来るみたいだけど、私達は先に進んじゃおー」
「賛成!」
「行きましょう。それにしても高嶺君は林の方に行くなんて何の用があったんでしょうか?」
最初のコメントを投稿しよう!