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気がつけば広場にいた ぼーっとあたりを見回す 広場はいつもどおり活気に包まれている 思わず視線は裏街の方にいく するとそこに白い人がいた 見間違えるはずなんてない、白い人が 私は思わず走り出した そしてその人に、声をかける 「マッドさん!」 「リエティ...なんでここに?」 マッドさんは少しだけ驚いたように私を見た 手には持ち運び用の薬箱 お仕事かな? 「お散歩です、マッドさんはどうして...?」 「あぁ、俺は少し用があってな」 そう言ってちらりと裏街の方を見る やっぱりお仕事らしい そういえばマッドさんとデートらしいデートってものをしたことがない でもまぁ、マッドさんとは難しそう 少なくとも広場は目に付くし、知り合いの人に変に一緒にいるのを見られれば... 間違いなく父さんの耳に入る 今日は早く帰ってくるようにと言われたことをまた思い出し、思わず苦笑いを浮かべる 「お前、暇してるのか?」 「え?あ、はい」 「じゃぁ少し俺に付き合ってくれないか?」 その言葉に、どきりとした まるで心を見透かされたような気がしたから 「は、はい!」 「じゃぁついて来い」 マッドさんは裏街に行く道の一本横の道に入っていった 私もそれにおとなしくついていくことにした 一緒にいれるならそれだけで嬉しいから
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