タコとヘチマの恋物語~私の恋人はエスパー~

4/6
前へ
/8ページ
次へ
「え!?」  私は顔を上げて先輩を見た。先輩は少し赤い顔だけど、普段とあまり変わらない態度で 「どうした?」 「今、小さく、俺も好きだ。って・・・・」 「聞こえたか・・今、念を送ったからな。タコに俺の心を聞かせたんだ」  そう言って笑った。  翌日、私はカナちゃんに、先輩とのことを報告した。  カナちゃんは、すごく喜んでくれた。 「良かったね。ヘチマ先輩、いつ言うか、いつ言うかってイライラしてたから、ホント良かったわ~。  谷木先輩の生写真と交換したかいがあったってもんよ~」 「え?カナちゃんってマコト先輩と話したことあるの?」 「え?ないよ。それよりさぁ~タコ、あんたヘチマ先輩とどうなのよ~。誕生日、もうすぐじゃん!なんか欲しいものとかないの~?」  そう、私の誕生日は来週。なんと、体育祭と同じ日。 「誕生日に欲しいものなんて・・・ホントはあるけど・・言えないなあ」 「何?あるなら言いなさいよ!谷木先輩の生写真ゲットのチャンス・・・。  いやいや・・何でもない・・こっちの話。で?何が欲しいの??」  挙動不審のカナちゃんには、ハテナだけど・・私はカナちゃんに告白した。 「私ね。マコト先輩が颯爽とゴールする姿が見たいなぁ・・って。  ほら、私マコト先輩が運動する姿って見たことないから・・・先輩、運動は好きじゃないっていうし・・。  でもね、一度でいいから先輩が駆け抜ける姿を見てみたいな・・って。  だって、今年の体育祭が最後だもん。もう先輩のそんな姿見れないもん」 「そっか・・・それは・・いくらヘチマ先輩でも難しいかもねぇ~・・・・モノならねぇ~いくらだって買えるんだろうけど・・・」 「うん、そうだよね。私、体育祭が誕生日と重なったから、何となくそんな事考えちゃったんだ~。  でもね、いいの。先輩と一緒に体育祭に出られるだけでも幸せだし~」  カナちゃんは苦い顔のままだったから、私は笑って放課後、買い食いして帰ろうよ~と誘った。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加