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「え!?」
私は顔を上げて先輩を見た。先輩は少し赤い顔だけど、普段とあまり変わらない態度で
「どうした?」
「今、小さく、俺も好きだ。って・・・・」
「聞こえたか・・今、念を送ったからな。タコに俺の心を聞かせたんだ」
そう言って笑った。
翌日、私はカナちゃんに、先輩とのことを報告した。
カナちゃんは、すごく喜んでくれた。
「良かったね。ヘチマ先輩、いつ言うか、いつ言うかってイライラしてたから、ホント良かったわ~。
谷木先輩の生写真と交換したかいがあったってもんよ~」
「え?カナちゃんってマコト先輩と話したことあるの?」
「え?ないよ。それよりさぁ~タコ、あんたヘチマ先輩とどうなのよ~。誕生日、もうすぐじゃん!なんか欲しいものとかないの~?」
そう、私の誕生日は来週。なんと、体育祭と同じ日。
「誕生日に欲しいものなんて・・・ホントはあるけど・・言えないなあ」
「何?あるなら言いなさいよ!谷木先輩の生写真ゲットのチャンス・・・。
いやいや・・何でもない・・こっちの話。で?何が欲しいの??」
挙動不審のカナちゃんには、ハテナだけど・・私はカナちゃんに告白した。
「私ね。マコト先輩が颯爽とゴールする姿が見たいなぁ・・って。
ほら、私マコト先輩が運動する姿って見たことないから・・・先輩、運動は好きじゃないっていうし・・。
でもね、一度でいいから先輩が駆け抜ける姿を見てみたいな・・って。
だって、今年の体育祭が最後だもん。もう先輩のそんな姿見れないもん」
「そっか・・・それは・・いくらヘチマ先輩でも難しいかもねぇ~・・・・モノならねぇ~いくらだって買えるんだろうけど・・・」
「うん、そうだよね。私、体育祭が誕生日と重なったから、何となくそんな事考えちゃったんだ~。
でもね、いいの。先輩と一緒に体育祭に出られるだけでも幸せだし~」
カナちゃんは苦い顔のままだったから、私は笑って放課後、買い食いして帰ろうよ~と誘った。
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