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「まず一つ。処刑中は護衛としてアホみたいな数の兵が展開されるらしい。オマケにテメーの所属する国の兵を殺せば経験値はマイナス。最悪アホみたいにレベルが下がる」
「レベルなんか関係ないだろ。時間かかったけど俺レベル20の時、レベル120アークドラゴン叩き斬ったぞ!!」
「テメーのそれはもう人外じみているとして、だ。二つ目。最初ってことで処刑されるのは見るからにモブっぽい女だぜ?」
「モブにいそうな美人だっただろうが!!」
「はぁ。最後に。予定表じゃ10人目にこの国の第三王女が処刑される。分かるか? ここで! イベントを起こすための新機能なんだよ!!」
「ぐ、ぐむ……っ」
「分かったら他のイベント攻略するぞ。『鳳凰の帝』やら『クリムゾンソーリーズ』に先を越されてたまるかって話だ!」
「……私たちと並ぶ騎士団。でも、私たちと違って20人フルメンバー、全員がレベル200カンスト済み。私たち『蒼炎の守護刀』を含めて三強って呼ばれているからって競い合ってプレイヤーキルされたらやだ……」
「プレイヤーキルってしたほうは相手のいい所持品やスキルを奪えるから、トップランカーはよくしてますよね」
「ほらジンスケっ。他の騎士団に奪われる前に特殊武器やらスキルやら取りに行くぞ!」
「…………、」
イベントでゲットできるものには限りがある。もちろん定期的に補充されるが、その『差』はかなり大きい。
プレイヤーキル……つまり他のプレイヤーを殺すことで所持品やスキルを奪えるこのゲームなら、なおさら。
それでも。
騎士団『蒼炎の守護刀』……プレイヤー同士の集まりである騎士団の団長ジンスケはこう言った。
「いや。俺はあのモブっぽい女を助けにいく!!」
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