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人って好奇心には勝てないんだね。
「…ふぁっ…こんな時間に、やめてよ~。もし誰か来たら…。」
「声出すなって。まあ5時間目だし、授業中だから、誰も来ないだろうけど。」
―ガタっ―
「だ、誰?」
「なんなんだよー。せっかくいいところなのに。」
ヒィィィィッごめんなさいっわたしです。
ドア越しに盗み聞きしててすいませんっ。
ばれたので仕方なく隠れたところから出ようとすると、
誰かに口を覆われ体が宙に浮いた気がした。
びっくりして私は思わず目をつむった。
次に目を開けたときには、髪に隠れて顔は見えないが、
人の顔がドアップに私の視界に飛び込んできた。
次の瞬間
―ガラガラガラっ―
「ん?誰もいないじゃないか。」
「え、じゃあ空耳だったのかな~?」
「もう、そんな美喜も可愛いよ///」
「もうっ拓真ったらぁ~。」
「じゃあ、続きしよっか。」
そんな会話を聞いていると、私の口を覆っていた手がどかされ、
彼は、立ち上がった。
「続きって何のですか?拓真先輩?」
「何のってなぁ…。」
ですよねー。俺たちこの部屋でいけないこと
しようとしてましたなんて、言えるはずがないもんねー。
ていうか私も、それを盗み聞きしてました…
なんて言えないけどね…。
「ていうかお前、授業受けてねーのかよ。」
「それって先輩もですよね~。ていうか、俺って
今授業受けてるとこなんですけど。1年は、まだ
校舎が広すぎて、場所を覚えきれてないだろうからって、
校舎探検なんですよ。先輩は、確か三年生だから…受験生ですよね。
駄目じゃないですかー。ちゃんと授業受けなきゃ。」
「…ねぇ~たくま~。教室戻ろう?」
「別にさぼってなんかないし。ただここにある資料、先生に頼まれて、
取りに行ってただけだし。」
「そうなんですか。疑ってすいませんでした。先輩っ」
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