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俺は、自分が倒れる前の最後の言葉をツラツラと思い出して、毛布をかぶった。
恥ずかしい・・。どんな顔して会えばいいんだ。
とはいえ、逃げ出すわけにもいかず、翌日谷木と再会した。
谷木のお日様笑顔は、どんより雲がかかっていた。今にも雨雲がやって来そうだ。
「相原、生きてた、生きてた・・・」
両手の握りこぶしが震えて、雨が降り出した・・。
「谷木、ごめん・・心配かけてごめん。俺、ホントに死んじゃうって思って・・・」
「うん、うん。・・ホント良かった」
俺の目からも、大雨が降りだすと、谷木は自分の目元をさっとふき取って、眩しいくらいに輝くお日様の笑顔を見せた。
「相原、退院したら感想文、続きやろうな。あと、あの続きもな・・」
そう言って、唇にそっと触れた。谷木の唇が・・・と、気づいて・・。
俺は今度こそ鼻血を噴出した。
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