001始まりの鐘

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* * * (……ここは……?) どこか遠くで鳴り響く鐘の音が耳に届く。 その音色はありふれた軽やかな音で、以前どこか聞いたような懐かしい気がする… ぼんやりとした頭で、私は今の状況を考える。 私はどこだかわからない…少なくとも家ではない場所で眠っていたことだけはわかった。 瞼をこすり、身体を起こそうとしたが、私の身体は鉛のように重く、力を込め上体を起こすと、頭がふらつくような気分の悪さを感じた。 (どこなんだ、ここは…) あたりには何もなかった。 目に映るのは白。 まるで降り積もった雪のように白い風景がどこまでも続いている。 だが、雪山でないことは明らかだった。 少しも寒くはないのだから。 だんだんとはっきりとしてきた意識の中で、私以外には生き物の気配さえないことが気味悪く、私は小さく身震いした。 この場所がどこだかはわからないが、まともな世界ではないことだけは本能が知らせていた。 私は立ち上がった。 座っていた時よりもさらに広がった白い景色に、胸の鼓動が速まった。
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