第2章 

8/54
182人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
 それくらい、キスはシズの中では大切なものだった。  そこで男は目を瞬きさせて、笑い出した。 「ははは、そうか」  馬鹿にされたと思い、シズは言い返す。 「!、何が可笑しいのですか!」 「君、田舎者だろう」  シズが凍った。  確かにあの村は田舎の田舎だ。こんな都市のような華やかさもなく、少し大きな町まで行かなければ学校もない。  しかし、キスは好きな相手とするという事の何が間違っているのか。が、 「通りでね。服装も地味だし」 「じ、地味なのは関係ないです!」 「顔はこんなに良いのにね。綺麗な茶色の瞳……」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!