第1章

9/11
前へ
/65ページ
次へ
 触れたりキスをしたり。二人だけの秘密は、日を追うごとに増えていく。 やがてフィンの体調は良くなって、村に来て二ヶ月ほどで彼は都市に戻る事になった。  途中シズの事がばれたがフィンが説得した。  フィンにとってもシズと会うのがとても楽しくてずっと一緒にいたかのような感じさえしていた。  森の話、友達の話、御伽噺……知らない世界をシズはフィンへと運んでくる。  この時間がずっと続いていけばいいのにとフィンは思いながらも分かっていた。  すぐに終わりは来ると。  シズと会って体調が良くなって、そうなればここにいる必要はない。  それでも何とか引き伸ばしたけれど、今日、この日を迎えてしまった。 「必ず会いに行くから。約束するから」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

182人が本棚に入れています
本棚に追加