side スコット

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ここに来ると、僕はたいていいつも長居をする。 せいぜい一週間程度のつもりで来ても、なんとなく帰り辛いというのか、名残惜しいというのか…何とも言い難い不思議な気持ちにかられ、気が付けばいつも長居をしてしまう。 幸い、そのことを咎められることもないから気は楽だ。 それというのも、うちの両親はアラステアのことを日頃から気にかけており、僕がここに来ることに否定的ではないからだ。 彼の両親が亡くなってから、彼は広大な屋敷で一人で暮らしている。 もちろん、使用人達はいるが、さして親しくしているはずもなく、きっと寂しい想いをしているだろうと、両親は心配しているのだ。 (彼ももう少し社交的になれれば良いのだけど……) すでに料理を食べきり、ぼんやりとしている彼の表情は、いつもどこか寂しげだ。 この店のことだって…本当はただの口実だ。 彼は、いつも僕を誘い出す時、何らかの口実を設ける。 『珍しい花をもらったんだ。見に来ないか?』 『町に素晴らしい歌い手が来ている。 ぜひ、一緒に聞きに行こう。』 そんなことは必要ないのに…… ただ、会いたいと言ってくれれば、それだけで良いものを……
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