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あらすじ
桜井雪乃は恋愛に依存していた。
自分でも自覚するくらい重度の、love addiction。
幼い頃から、両親に愛されず、虐待を受けて育った雪乃は、常に孤独を感じていた。
それを紛らわせる為に、ひと時でも自分を必要とされる恋愛を繰り返していた。
二十五歳の時に合コンで知り合った恋人の徹平とは肌も合い、ますます恋愛に溺れていく雪乃。
しかし、少しづつ冷めてきていた徹平に二股をかけられ、失いたくないばかりに「二番目でもいい」と嘘をつく。
嫉妬心もあり、一日中、徹平の事しか考えられなくなった雪乃は、いつでも徹平に合わせられるように仕事も辞めてしまう。
だが、彼女が妊娠したのをきっかけにふられ、やはり自分は誰からも必要とされないのだと、虚しさでいっぱいになった。
心なんていらない。
上手に嘘で包んでくれればそれでいいと、ますます自暴自棄のような日々を繰り返す雪乃。
そんな中、二十八歳になった時、バイト先のコンビニで、客として来ていた陸(りく)に「友達になって下さい」と声を掛けられる。
実は陸も子どもの頃、暴力や虐待を受けて育ち、今もトラウマを抱えながら生きていた。
雪乃に自分と同じ匂いを感じた陸は、雪乃が心から笑い、希望を持って生きていく事ができるようになるまで側で支えようと心に誓う。
最初は何も思ってなかった雪乃も、見返りを求めず優しさを与え続けてくれる陸に想いをよせるようになった。
一緒にクリスマスイブを迎えた日から四年後。
雪乃、三十一歳。
陸、三十六歳の時に再び迎えたクリスマスイブの夜、一緒に過ごしていた陸のマンションで雪乃は陸に好きだと告白する。
同じく告白しようと思っていた陸は、用意していた指輪と共に、雪乃にプロポーズをする。
そして初めて二人は肌を合わせ、愛を確かめあった。
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