第一部 16章 次鋒戦

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 ゴングが鳴り終わると俺はリングに上がり衣吹の元へと駆け寄る。  「衣吹!大丈夫か衣吹!」  問いかけていても気絶しているため反応がない。  「安心して焚木くん、彼女は魔力を使いきっただけで休んでいればすぐ目は覚めるよ、それにしても。」  学園長が眷属化を解いてこちらに近づき話す。  「某に眷属化を使わせるなんてやはり森宮家は侮れないね」  そして学園長は衣吹を賞賛すると振り返り陣地へと戻る。  俺は衣吹を抱えると反対方向へと歩く。  「よくやったよ衣吹。今は休んどけ」  陣地に戻り衣吹を下ろすと次の試合が待ち構えている、こちらの1敗もうあとはない。  「次の次鋒戦は必ず勝ちにいきたいの、だから夏鈴さん行けるかしら?」  美秋は次の次鋒は夏鈴へと託すとした。  「ええ、任せて。相手は先生でも覚悟はしない、必ずタイにしてくるから!」  そういうとリングへと軽快に上がる。  〈次の次鋒戦は1年A組は苗木選手の登場だー!彼女は恐ろしくも今まで相手に術式を出させることなく完膚なきまでに気絶させている少女だー!それに対して教員チームは2学年主任の木山先生だー!〉  教員チームからはチームの紅一点であり、2学年主任と学園長補佐を務めている若葉さんと同じ様な仕事に生きる人間だ。  その姿はパンツのスーツを着て髪型は蒼色でロングを首の辺りで結んでいて見た目はキツイ感じではないが若くて案外男子生徒に人気なのだ。  ついでに若いからか木山ちゃんとみんなに呼ばれ、禁句は夏鈴と同じ貧乳なのだ。  「相手はあの木山ちゃんか、中々面倒くさいね。」  向かいに立つ木山ちゃんは威圧感を放っていて貧乳対決は始まろうとしている。  「焚木、」  「春児、」  「「命が惜しくないらしいね」」  この恐怖感は初めて身体で痛感する。
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