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「あなたのお兄さんの水蓮君とは面識があってね、私が赴任してきてはじめてのクラスを持った時に彼がいたのよ」
「私も兄から木山先生の事を度々聞いていて先生がどういった人物かもわかっています」
真剣な表情で睨み合うように語り合う二人、それはまるで殺し合いの真剣勝負の直前の様な顔立ちであった。
周りの歓声などまるで耳にすら入っていないような落ち着き方で両者は動かずにいる。
「それじゃあ語りはここまでにして今は戦いをしましょうか、苗木夏鈴さん?」
「そうですね、魔法士同士は戦いで語り合うのが基本ですから。手加減なしで行きます、木山先生!」
そして両者は糸が切れたように詠唱をし始める。
『水龍・水龍牙!』
『風影・大竜巻!』
夏鈴の水龍と木山先生の竜巻が中央で激しくぶつかり合う。
会場は飛び散った風と水のお陰でシャワーの様に振りかかる水で濡れていく。
「私の大竜巻がいとも簡単に破られるとは流石は水蓮くんの妹さんね」
水蓮さんと似ていたのかニコリと笑った木山先生は再び真剣な表情に戻り術式の詠唱をし始める。
『旋風斬!』
『アクアミスト!』
風の大鎌を作り出した木山先生はそれを真横に大きく振る、それと同時に夏鈴は水蒸気で姿を眩ませる。
二人の戦いはとても理にかなっていて合理的で尚かつ連携がうまい、俺達みたいにゴリ押しせずに確実に仕留めに行く、ハッキリ言って美しく目が離れない。
木山先生が大鎌を振ったことで水蒸気が舞い上がりリング上は見えなくなってしまう。
「これが狙い、相変わらず術式の構成の美しさは水蓮くんと似ているのね。」
「それもそうですがあたしは兄をも超えるものを持っています、それは」
ほぼ霧の中にいる状態の木山先生は実体の見えない夏鈴の声を聞いて周囲を警戒する。
そして木山先生は夏鈴の実体を確認できたのは目の前にいた時だった。
『幻術・明鏡止水!』
「まさかっ幻術なんて高位魔法士でも扱えるものは少ないと聞くのにあなたは!」
「あたしの幻術にはまったら後は精神崩壊を起こすか自殺のみ」
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