宇宙人と僕。

僕と宇宙人。

　とりまとは、とりあえずまあの略称。ニュースで初めてギャルが使っていたのを見た僕は、驚きと関心が入り混じった状態で見ていたが、今の状態は、それをも凌駕していた。

『知らないんですか？』

『いや、知ってます。とりあえずまあ。の略称ですよね。なんで、あなたが知ってるんですか？』

　謎の生命体とは、まさにこのことをさすんだろう。宇宙人は、皆こんなに謎めいている生き物なんだろうか。そんな考えを巡らせてみたところで見た目じたいが、謎めいているから良しとした。

『いやぁ。そりゃあね。毎日、人の頭を覗いて観てますから。活字。』

　自信たっぷりに言われる言葉の節節に怪しさがある。第一に覗いて観ていることが活字なんておかしい。すべて、文字化でもしているんだろうか。そんな、考えがすでにおかしかった。

『そんな、満員電車で人の新聞を覗き見してます。みたいに言わないでください。全部、活字な訳ないでしょ』

『え？じゃあ、ニュース』

　言っていることは、正しい。そもそも、会話の内容が変なのだから、この話に正しいも間違いもうまれない。素人漫談とでも言うんだろうか。それにしても会話の内容が不毛だった。。