意外なひとこと(関西口語編)

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意外なひとこと(関西口語編)

教室の戸を開けると、そこには、 めっちゃ好きな、三宅君がおってん! ほかは誰ぇもおらんかってん。 (えーっ!うっそやぁー!!) 今日、うち、彼にラブレター、わたそ思て、 書いたんで持ってきてん。 今のうちが、できる限りの、想い込めたってん。 この教室に、三宅君とふたりだけや。 いつ、だれが来るか、わからへん。 急いでカバンから、 うちの想いを取り出してん。 三宅君。 三宅祐吾。 うちのこころをめちゃくちゃにする、ひどいひと。 うちのこころをぎゅーーーっとする、にくたらしいひと。 うちのこころをほんわかしてくれはる、めっちゃステキなひと。 ずっーと想うてても、ええやろ? 祐吾。 三宅君と仲のええ、わたしの友人、 サヤカに聞いたんや。 「三宅君、好きな人、おるの?」 「おらへんみたいやな、アイツと長いこと付きおうとるけど、 そんなん聞いたことあれへんな。 男が好きなんじゃねーの! あーはははーー!」 (男が好きって、ひどいやん!) うちはこころの中でふてくされてん。 三宅君とサヤカは、幼稚園のころから幼なじみやねん。 サヤカには、決まった人はおらへんらしくて、 三宅君の彼女なん? と、思うとったこともあったけど、 そうじゃなかったようやねん。 三宅君は、人に話しかけられたら、 いつも笑顔で接してる。 うちにもそう。 でもな、三宅君から誰かに話しかけることは、 あんまりせーへんみたいやねん。 少しキザっぽく見えることあるんやけど、 でも、 そこもええねん。 顔も、めっちゃ整ってて、眉も、目も、鼻も、 口も、耳も、輪郭も、髪型も、 どれも全部すきやねん! んでな、 いいとうないんやけど、 うちの方は、 目立たへんタイプ。 サヤカは、だれにでも明るうふるまっとって、 男子にも、人気あるんや。 いっつも、うらやましいと思うてまうねん。 もっと前に出たいんやけど、勇気あれへんし、 そんなんヘンやし。 そんなん、うち、ちゃうやん。 でも、 変わらなあかんのかな、 三宅君。
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