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俺の手を祖父はグッと両手で握りしめた。
「お前は死ぬには、まだ早い。きちんと、ばーさんと両親を見送ったあとに来なさい。それまでは、お前の所に迎えが行かないように、俺があの世で見張ってるから」
眩い光が大きくなり、更に人も増えてきた。そして、声が聞こえる。
「これより、あの世へ続く門を開門する」
祖父の顔付きが変わった。手に何かを持たせ、背中を押された。
「急げ、清盛!! これを持って、今すぐ窓から飛び降りろ! 開門されたら戻れなくなるぞ!! 急げ!!」
「分かった。……じーちゃん」
「何だ?」
「若い頃もカッコいいよ。……ありがとう。またね」
「……バカたれ」
祖父の泣き顔を目に焼き付け、窓を開けて下へ飛び降りた。
不思議と恐怖心は無かった。
……これも祖父が生前大事にしていた、このお守りのおかげかもしれない。
その三日後。
ぼんやりとした白い天井と、幾重にも見える電灯の光が視界に入った。深い眠りから、ようやく目が覚めたのだ。
「清盛!? ……そうかい……。じーさんが助けてくれたんだね。よかった、本当に……。じーさん、ありがとう……」
固く閉ざされていた手の中には……祖父から預かったお守りが握りしめられていた。
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