Re:birth

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教室の戸を開けたら、そこには。 加瀬がいた。 誰もいない朝の教室の中。 全開の窓に片足を乗せるようにして腰掛け、彼はただ外を見つめていた。 優しくて薄暗い光が、彼を包んでいる。 物憂げな横顔に、胸が痛む。 「加瀬」 出来るだけ彼を脅かさないよう、そっと声をかける。 彼はわたしが教室にいたことに今気づいたらしく、はっとした様子で私を振り返った。 「あ、西宮。おはよ」 「おはよ。……そこ、危ないよ」 「だってここ、よく見えんだもん」 グラウンド、と言って彼がまた外へと視線を戻す。 わたしは何も言わない。 彼も何も言わない。 朝の部活の声が、教室まで届く。 女子テニス部。 野球部。 ソフトボール部。 サッカー部。
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