第一章

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光をまとい、キラキラと輝いている白銀の翼。 なめらかな黒に染まる長い首。 鮮やかな紅色をした頭頂部。 ”それ”が動かしているのは、機織り機。 翼の動きに合わせて、トントンと小気味いい音を奏でている。 目の前に広がっていたのはそんな光景。 いつもの「穏やかな朝ですよー」って聞こえてきそうな朝の風景は微塵も感じられない。 あ・・・れ・・・・・? これ何。 これどこ。 驚きで固まった頭を必死に動かそうとするが、 俺の頭はこの状況にすぐ順応できるほど、ふにゃふにゃ柔らかくない。 そんな俺は、ゆっくりと腕を動かし 静かーに、戸を閉めることに成功した。
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