第一章

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このまま、教室に入らなければ俺は遅刻になる。 それは俺の美点を失うということだ。 それはあまりに惜しい。 本当に惜しい。 しかし次に戸を開けたら、俺はめでたく爺さんの仲間入りを果たしてしまうのでないか? 爺さんと同類なんて御免だ。 だけど・・・・ ・・・・ カーン 俺の脳内でゴングが鳴った。 皆勤賞選手vs 防スケベ選手 の勝負が始まった。 激戦の末、見事勝利したのは・・・ 皆勤賞選手。 皆勤賞選手は強かった。 俺の中での皆勤賞の位置づけはかなり高いものだと改めて実感。 まぁ、唯一の美点なのだから、それもうなずける。 勝負に負けたのだから潔く、スケベじいさんのことは頭から排除しよう。 ここで迷っていたら男じゃない。 と、俺は取っ手に手をかけた。 そして戸を勢いよく横に引く。
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