信頼

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◇ 深い深い深呼吸を繰り返しながら、視線のずっと先にいる人を見つめる。 今日の昼は食堂で、と約束をしていた。 先に食堂に着いて椅子に座りながらスマホを弄っている仁の背中に、なかなか近づけないでいた。 また無意識に息を大きく吸った瞬間、視線の先の仁がゆっくりと振り返る。 視線が絡むと同時に、あたしの心臓は、どきんっ──と大きすぎるほどの音を鳴らした。 そして仁は視線でこっちへ来いと訴えてくる。 もう、逃げられない……。 そう感じて、ゆっくりだけれど仁のもとへと近づいていった。
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