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脳内にさっきの仁の表情がまた浮かんできて、目の奥が熱くなってきた。
じわりじわりと顔を出し始めようとしている涙を、歯を食い縛って必死に止める。
そんなあたしに凛は、
「いい機会なんじゃない？」
「え」
「彩葉だって、いつまでもこのままでいいなんて思っていないでしょ？」
「……」
このまま。
仁が浮気を繰り返していること。
しかも彼女であるあたしが気付いているのに全くやめる気配がない。
というより、『ココロとカラダは別物だ』と開き直っている。
確かにこのままでいいなんて思っていない。
「でも……」
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